【ストーリー】第九章 第3話 滅びの記憶③【セレスアルカ】
あーあフラれちゃった。って!
鍵も持って行かれちゃったじゃないですか!
あいつが見逃したのか、不用品だかわからないがこれも遺物なんですね。
へ?
手がかりが無いわけじゃない?
ルチアさんに頼んで、カエルムの跡を追跡しているんですか。
ん?それは?
自分はこれを持ってランベール団長に報告に行けば良いんですね。
了解しました。
どうしました?ロレンツォ隊長。
深妙な顔して
守るべき民を見捨てて逃げ出した権力者の末裔が、結局何も守れなかったのが情けない・・・。
いや、そんな事ありませんよ。
(最初からロレンツォ隊長がアーロと戦っていれば、違ってたかも知れませんが。)
アーロの言っていた事が気になるんですか?
カエルム人にも仲間意識があって、何かを取り戻すために、何かを守るために戦う事は悪くない・・・。
理由がなんであれ、何の罪もない市民や兵士が犠牲になるのは良くないですよ。
あいつらが何を考え何のために動いているのか知りたくなった?
なんか急に、隊長っぽくなりましたね。
今日を生き延び、明日を迎える為に戦っている。
確かに、カエルム人も自分たちも一緒ですね。
もし、あいつらが民を見捨てずに戦い続ける覚悟があるなら、
お互いに言葉を交わす価値はある・・・。
きっと、世の中、ロレンツォ隊長ばっかりだったら戦は起こらないでしょうね。
今度、酒でも飲みましょう。
自分はランベール団長に報告していきます。
ランベール団長!
すみませんでした!
鍵を取られた上、敵に逃げられました。
へ?生きて戻ってきた事が何よりの成果?
鍵が敵の手にある事、アーロにはまだ上官がいて、その名前がラディであること。
それからルチアさんが逆探知している事。
まぁ、確かに敵に近づきつつあるのかな?
了解です。
また、詳しく分かるまで連絡を待ちます。
第九章 滅びの記憶 第3話 滅びの記憶③
完