【X'masイベント】待ち続けた者【セレスアルカ】
天歴243年
遡ること50年
天歴193年
星舞う森に一人の青年騎士とモンスター
出会いは青年騎士が星舞う森を歩いていた時
怪我をしたモンスターを発見
それ以来、二人の仲は深まった。
とある日、青年騎士は戦場への出兵が決まる。
彼女が目を閉じると
可愛らしい髪飾りが添えられた
王都の鍛冶屋の手伝いをしているアントン少年から譲って貰ったものだ。
彼女は喜び戯れてみたが、青年の覚悟は固かった。
王都をかけた大決戦
異形のモンスターカエルム
騎士として非力である事を自分自身理解している彼は
彼女と会うのは今日で最後と決めていた。
「そろそろ時間だ」
青年騎士が告げると、何かを悟ったのか彼女の心がざわめく。
「必ず帰ってくる」
「ここにいればお前の仲間たちもたくさんいる。一人でも寂しくないだろ?」
彼女は、彼の言葉の矛盾を感じる。
彼は振り向かない。
「ついてきてはいけない。」
そう言ってまた歩き出す。
彼女は彼を追う。
そして、彼は振り返って言った。
「僕はお前の事が嫌いになったんだ。
そのお別れを言いに来た
お願いだ、いつまでも仲間と一緒に楽しく暮らしてくれ。」
「私は捨てられたんだ。
カエルム掃討作戦?そんなもの私とあなたと間では全く関わりのないものだ」
天歴243年
あの日からどれだけ時が経っただろうか?
なぜ今、
捨てられた時の事をおもいだす?
最後の言葉は謝罪の言葉だった。
1人で戦地に向かうのであれば
せめて、二人で一緒に行こうと言って欲しかった。
私とあなたの二人で死力を尽くし、二人で逝けば良かったものを・・・
まとわりつく死の運命を
尊い騎士の心で必死に振り払い
滴る血が馬鹿らしい戦場に向かった。
私の心を置き去りにしたまま。
プロローグ
待ち続けたもの
完